浮気の証拠といえば、写真や動画が定番ですが、音声データは浮気の証拠となるのでしょうか?
結論から申し上げると、音声データは浮気の証拠になります。
ただし、その音声データがどんな方法を使って録音されたか、録音した音声データを補完する証拠の有無によって、浮気の証拠として認められる時と、認められない時があります。
これだけを聞けば、浮気の動かぬ証拠のように聞こえます。
しかし、この音声データを録音するため、パートナーのカバンにICレコーダーを忍ばせた場合、盗聴やプライバシーの侵害として言い逃れされる可能性があります。
夫婦がICレコーダーを相手のカバンや車、自宅の寝室に仕掛けるこの行為は違法ではありません。
しかし、夫婦以外の人間、例えば探偵事務所の調査員が自宅などへ侵入したり、他人の持ち物を勝手に触れるなどしてICレコーダーなどを仕掛けた場合は違法行為となります。
プライバシーの侵害という点でも、夫婦なのだからプライバシーなんて存在しない。
と思いかもしれませんが、法律上では夫婦であってもプライバシーは尊重されるものと考えられています。
そのため、音声データを浮気の証拠にしたとき、「どんな方法で録音をしたのか」、「勝手に個人のプライバシーを盗み聞いた」と言われると、反論が難しくなるケースもあります。
参考:盗聴した音声は、浮気の証拠になりますか?
先程と同じように、「不貞行為の最中の声が入った音声データがあります」というケースで考えてみましょう。
その不貞行為の音声データは本当にパートナーと浮気相手の声でしょうか?
言葉は悪いですが、音声データは所詮は音です。音声データを聞いた人が、
パートナーと浮気相手の声が一致するものだと判断するのは難しいです。
そのため、音声データを裁判で浮気の証拠として使った場合、裁判官でも浮気の証拠として認める人と認めない人で別れます。
音声データが浮気の証拠であると認めてもらうためには、それを補完するための証拠が必要です。
この補完するための証拠として一番適当な物が、音声鑑定です。
刑事ドラマなどで犯人の声を特定するため音声鑑定を行う、といったシーンを見たことがあると思います。
これと同じように音声データに録音されている声と、パートナーと浮気相手の声が同一のものなのか鑑定してもらうことで、
音声データを浮気の証拠として補完することが可能です。
ここまでで、音声データが浮気の証拠として使えるが、リスクがあることが分かっていただけたと思います。
音声データだけを使ってパートナーと浮気相手を追及するのは難しく、逆に言い逃れの材料にされてしまう可能性もあります。
音声データを浮気の証拠として使いたいなら、違法な方法を使って録音をしていない、
音声データを補完するための証拠が揃った状態で、浮気の証拠として使いましょう。